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11話 護衛問題とミリアの怒り

작가: みみっく
last update 최신 업데이트: 2025-06-25 22:00:06

「護衛を男1、女1、メイドさんを1人でお願いします」

 俺の提案に、護衛の責任者は顔をしかめ、即座に言い放った。

「それは無理です!許可できません!」

 その声には、一切の妥協が感じられない。

「でしたら俺、一人で行くので付いてこないでください。ちょっと、目立ち過ぎなので……」

 俺はきっぱりと言い放った。

「平民服を着て平民を装ってるのがバレバレになってるし……平民が護衛を付けてる訳が無いし。お金持ちや重要な人物だから護衛を付けるのですよね? 今回の行動で顔を覚えられてしまいますよ?」

 俺の言葉に、ミリアは表情を硬くし、護衛の責任者を鋭く睨みつけた。その視線は、まるで氷のように冷たい。責任者はゴクリと唾を飲み込んだ。

「一応、今日は店舗を調べる予定だったからさ、ちゃんと調べないと。昼食と色々と話しが出来て楽しかったよ。ありがとね」

 俺は、これ以上揉めるのを避けるように、ミリアに柔らかく話しかけた。

「そうですか……ううぅ……」

 ミリアは悲しそうに眉を下げ、ウルウルと瞳を潤ませながら俺を見つめてきた。その瞳は、まるで今にも零れ落ちそうな露を含んでいるようだ。

「あの……次は、いつお会いできますか?」

「明日も町の中にいると思うけど……ドレスを着て護衛を大量に連れて会いに来ないでくれるかな。お金持ちの知り合いが居ると思われて店舗の価格を上げられそうだし」

 俺がそう言うと、ミリアはパッと顔を輝かせた。

「分かりましたっ! むぅ……」

 彼女は不満げな声を漏らし、再び警護責任者を睨みつけた。責任者はビクリと肩を震わせた。

「ちなみに、もし会いに来られるなら護衛とメイドさんも普段着でお願いしますね。平民でメイドに護衛を連れて歩いてる人いないですし」

「はいっ。分かりましたわ」

 ミリアは素直に頷いた。

「じゃあ、またそのうちに」

 俺は手を振って玄関を出た。ミリアは笑顔で手を振り返してくれて、可愛らしい感じだった。しかし、玄関の扉が閉まると、途端にミリアが怒って騒いでいるのが聞こえた。

 俺は聞こえてないことにしようと決めた。ミリアって恐いのね。っていうか貴族様だし町の警備兵にも怒ってたし。

 ——謎の再逮捕とミリアの権威

 ミリアの屋敷から、しばらく歩いて商店街まで戻ってきた。屋敷から商店街までは歩いたが、転生した時の山道じゃなかったので歩きやすくて良い運動になった。商店街の賑やかな声が耳に届いてくる。

 商店街に辿り着くと……。

「うっ」

 警備兵に顔を覚えられたようで、俺に深々とお辞儀をされた。まあ良い方に考えよう。問題が起きても融通が効くかもな?

 異世界といえば剣と魔法の世界! だよな? ……魔法が無いのならば武器でしょ! ってことで、買う気はないけど興味はあるので武器屋に入ってみた。店内には鉄の匂いが漂っている。

「おおぉ! すげぇ……本物の剣じゃん! カッコいい~!」

 俺は目を輝かせた。

「俺も欲しい!!」

 壁には斧に弓にナイフ、槍……様々な武器が並べられている。店の隅には、中古品なのか樽の中に大量の剣などが入っていた。

 剣が1本で銀貨20枚らしい……中古で5万円か……うぅーん、ちょっと高くない? そんな物か……モンスターを倒してお金が稼げるんだしな。

 張り紙がしてあって『購入時に無料でメンテナンス致します』と書かれている。へぇ……どこまでメンテナンスしてくれるのか不明だけど。

 でも中古品に命を預けられないよな……普通。まあ低級で素手でも倒せそうなモンスターなら剣の練習で使えて良いけど……それに5万かぁ……。

 実践で戦ってて折れたら終わりだぞ……こわ。

 店内を一通り見て、目立たなそうな剣の形を覚えておいた……あとでアイテムで出してみよっと。

 次に家具屋、服屋、薬屋を見て回った。それぞれの商品の価格を記憶に留める。

 最後にアクセサリー店に入り、煌びやかなアクセサリーを見ていると……。

 警備兵に肩を掴まれた……「え?」

 はぁ……またかっ!!

 子供がアクセサリー店に入るのが怪しかったのか、警備兵を呼ばれてしまい、そのまま連行されてしまった。通りを歩く人々が、好奇の目でこちらを見ている。警備兵の詰め所に連れてこられた俺を見て、警備兵のお偉いさんが慌てて駆け寄り、青い顔で深々と謝罪をしてくれた後、すぐに解放してくれた。

 一応、身元保証人がお貴族様だしな。でも、これだけ警備がシッカリしている証拠で治安は良さそうだな。

「すみません。何度もお邪魔して……」

 俺は申し訳なさそうに言った。

「こちらこそ、すみません。今回の事はどうか……その内密にお願いします!」

 お偉いさんは困った表情で顔色も悪い。大丈夫か? その額には脂汗が滲んでいる。

「内密にって? 誰に?」

「ですから……その……」

 お偉いさんが言葉を詰まらせた、その時だった。

「ユウヤ様っ!」

 ミリアが平民の服を着て、心配そうな表情で慌てた様子で詰め所に入ってきた。彼女の息遣いが荒い。ミリアがお偉いさんを一瞬睨むと、兵士達の様子も一瞬で変わり、詰め所の中が静まり返った。ピリッとした空気が張り詰める。

 やっぱり平民の服を着てもバレバレですね……ミリアさん。

 しかも、ミリアは一言しか声を発してないのに静まり返ったし。

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